くっそーだまされた〜。

いやに前座が長くやりやがると思っていたら、
酷暑の中じりじりしながら待たされて、あげく
山下洋輔じゃなく山下洋補というそっくりさん、
渡辺貞男じゃなく渡辺ダサオだと。ダサオはそ
っくりさんですらなく、アベサダ事件のコント
お茶を濁す始末
・・・なあんてこともなく、


本物でした、二人とも。
日本語教育関係者の皆さん、ここ、ここ、
 ここでまちがいないすよ。「こてつ」はここでは
 shyuninchanです)


山下洋輔さんは、
最初から最後まで、テンションあがりっぱなし、
一曲だけセカンドラインのリズムで観客も手拍子を打って
楽しめる曲があって、ホーンのぶりぶりを照れ隠しにしな
がら、バンマスはにたにたと無邪気なハッピーハッピーの
メロディーを奏でておられました。
 ぶりぶりも混ぜながら、ですが。
やはりこれまでステージで乱暴狼藉を働いてきた手前、
あまりにあからさまに、あの山下がストレートに無邪気かつ
なんのひねりもなく昔ながらのそのまんまは、やれんのだが、
でも山下と言えど一人のヒトとして、普通の演奏もやりたい
のだという気持ちがよく伝わりました。


大江健三郎さんも、奥様のお話によると、第一敲はいわゆる素直な
書き方で、分かりやすいものだそうなのでが、そのことを思い出し
た。


三回ほど、ピアニストのあまりの暴れっぷりにげらげら笑ってしま
った。


こちとらのジャズ魂も多いに刺激されました。


渡辺貞男は、もう国民的大御所ですね。
三波晴夫、美空ひばり、渡辺貞男と並べて、違和感がないよ。
私は。
よく考えると、山下洋輔とは対照的に、ジャズの中から大衆に
受け入れられない要素を徹底的に廃し、その分アフリカ音楽や
レゲエやらを付け加えてきたんだね。
私が驚いたのは、その70年代に確立したスタイルまんまやっ
ていることです。
ぜ〜んぜん、変わってへんやん。
これにびっくり。
ああ、懐かしいカリフォルニアシャワー。やはりこれが最高だ
った。
あと曲名は分からないんだが、これもfm放送の番組テーマだっ
たので耳に残っているスローバラード、アンコール一局目と最
後の最後にやったゆったり易しい素朴なテーマの演奏が、貞男
師匠の気持ちが伝わる演奏だった。


この企画を考えた方は、かつてはかなり近いところにいたジャ
ズ界の兄弟がそれぞれにそれぞれのスタイルを一人は常に革新
し、革新し続けるというスタイルを確立したということ、もう
一人は、今度はそのスタイルをそのまま押し通したというこの
対照を示したかったのかもしれない。
結構聴衆も自分で聞き方を模索させられる二大巨頭のセッショ
ンだったのではないだろうか。


両首脳の演奏の間にに花火もあがり、これが一番もり上がった
という説もあるが、
うんなこたあない。