2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本語の文脈依存性が高いことと「が」の活躍

今朝、「が」構文の実際面でのコミュニケーション上の有用性の一つについて思い至ったので、そのことを書く。 それは、主題または主語の省略と、この日本語の便利な機能を支える「が」構文の果たす役割について。日本語については久々のエントリィ。 まず、…

物質ー>生命ー>心

木下清一郎著「心の起源」中公新書を大体読み終わった。 物質から生命が生まれ、生命から心が生まれる過程を、科学的な仮説を積み上げながら、記述する試みである。大筋は、特異点の発生によって位相構造的な世界が開かれて、潜在的な展開原理が具体的な活動…

認識論の教科書「知識の哲学」を読み終わった

戸田山和久著「知識の哲学」(産業図書)を読み終わった。 学部の教養課程や哲学を専攻する学生の入門的な哲学教科書シリーズの中の一冊である。 古典的な哲学の個人の信念と真理の形成を扱うという方針や理論的枠組みや基本概念が、20世紀の主に英米系の言…

ある特別な瞬間の記録

パラオ滞在三日目に我々日本からの訪問者4名は泊めてもらっている日本語学校学生の二人とその友人たちのピクニックに招かれたのであった。もっともピクニックと言っても、スピードボートで人の住んでいない島へ向うという豪毅なものだ。 パラオの空は不思議…

認識とパタン

岩波新書 渡辺慧「認識とパタン」読了 ヒトも含む動物の知覚は、主に感覚器官と脳の神経系とのネットワークによるものであるが、網膜上に伝わる刺激でさえすでに「パタン認識」が仕込まれている。例えば目でものを見る場合、対象である個体の輪郭線は物理的…