追い求めよ、さすれば導かれん・・・答えはこんなところに?ドイツの再生エネルギー

答えはドイツです、ね。


大阪市立大学の生涯教育センターで催された環境問題のセミナーに行って来たんです。


はるかかなたのその昔、在学中一般教養で単位登録はしたもののまともに聞いてなかった宮本憲一先生の『公害問題論』


先月たまたま他の催しにいったときみつけ、懐かしさも手伝い、自分のアクチュアルな問題の関心事でこれ以上のものはないじゃないか、これを聞きに行かずして、何を聞きに行く?と自分に言いました。


(浮世離れした関心事が複数、下世話な関心事が無限にあることは公然たる事実だすが)


宮本先生のは「日本の環境政策はこれでよいか」で、初回。2回目が「飛躍するドイツの再生エネルギー」和田武先生。こちらの先生は失礼ながら存じ上げておりませんでしたが、いっしょに申し込みました。


公害という言葉がまだ辞書の載る前に、公害のタイトルを冠した御著書をものされた環境問題の生き字引、宮本先生の「環境経済学新版」(岩波)は、類書に比べてもこれほどトータルに環境を扱ったものはないそうです。院生が音を上げる内容の濃いものだそうなので、お勧めしておきます。


市民が鍵だそうです。日本でも公害アセスメントを市民と専門家が協力して、自治体を動かしたりしてきた実績はあるのだそうです。素晴らしい話も、ひどい話と平行して聞きました。


お話の内容の中心は日本国内のこれまでの公害問題と、関連する社会的ファクターがどう動いたかについてでした。公害被害者、企業、政府、司法、立法、自治体、科学者、市民などです。終わりの方で、グローバルな問題に付いて、ご意見を述べられました。公害先進国日本は、世界で起きるであろう全てを経験済みである、とその経験と汲み取った考えが根拠になっております。



結論的には、「経済成長と環境問題解決の両方の調和を計る」路線は間違いだということでした。
サステナブルを持続可能と訳すのも非常に、現状の延長上に解決があるので、ご自分は「維持可能」と訳すべき(とこれは都留重人先生の意見によるそうですが)とのこと。本州四国架橋の事前アセスメント後、建設に許可を出せるように、SO2基準値が0.02ppmから0.04~0.06ppmと甘くなってしまった例などが挙げられております。後者は、かなり濃度の高い方の北九州市戸畑区の値まで入るようなもんだそうです。(ちなみに私の出生地はここ。)経済と環境の調和論ではダメなんです。環境の限界の中で、自然が維持可能な活動しか許されていないのだ、という自覚が、全ての社会的ファクターの前提にならなければならないのです。


温暖化の議論は、いいことだそうです。忘れてはならないのは、再生可能と思われてきた自然資源の深刻な状況に関連していること、森林、真水、土壌、天然の食料など。技術だけでは解決しません。社会システムを転換して、大量生産、大量消費を大幅にカットすべきである。という趣旨のまとめが最後にありました。



さて、ここでドイツ登場です。


CO2排出量削減目標を上回る成果をあげていまよ。再生エネルギーへの転換に向かって、社会的合意形成、目標設定、実行、やりすぎて目標値の上方修正にまで至ってますよ。


知ってましたか?
わたしゃ、全然知りませんでしたよ。え、えーっ!ド、ドド、ド、ドイツてそんなに進んでいたんですかあ、てなもんですよ。
ゴミのリサイクルが徹底していることは90年代半ばくらいに勤め先の日本語学校で同僚が取り上げて、仄聞してはおりましたが。



結論だけ書きますが、ドイツモデルに先進国すべてが倣えば後顧の憂いはないだろうという感想を持ちました。
これも市民の自発的な将来を見越したライフスタイルの転換と、国が目標数値を設定し、本気で実現できるように枠組みを整えたからです。



和田武「飛躍するドイツの再生可能エネルギー」(世界思想社
環境問題を考えてときどき夜眠れなくなるあなたにお勧めです。


巷にあふれる変な本に惑わされないでください。


どっちの本も買っただけでまだ読んでないけど。それから、養老猛司先生の近刊のいくつかの啓蒙的な御著書もまだ読んでいないので、なにかが私には抜けているかもしれませんけど。


ただ、温暖化が真の問題ではない、ということに対しては少なくともICPO(世界人口会議)は否定するようです。
   *これは、国際刑事警察機構、インターポ―ルと同じ略だすな。


ICPOの会長(議長?)は2年前に次のように発言したそうです。「科学者の責任は果たした。後は政治の責任だ」と。つまり、


先進国の二酸化炭素排出量を今世紀末までに80%削減、つまり今の20%、5分の1まで落とせば、なんとかなると・・・。
それで産業革命以来の平均気温上昇が一旦2度を超えてそこから引き戻すように気温は変化するシナリオだそうです。



ただし、平均気温上昇が2度を超えるだけでもいろいろとヤバいことは起こるというシミュレーションもありました。もちろん一度でも。


いやあ、崖っぷちにいるようではないですか。あなたも、わたしも、人類の皆さんも、動植物のみなさんも。
素人の私が軽々しく結論めいたことは言えない重大なことですが、やはり深刻なようですね。


と、ここで、すみません。宣伝だけで終わります。


テレビの宣伝広告は、要らないモノを買わせてカネモウケする為に内容がないですが、
私は内容に触れる頭がないので、中身が書けません。
仕事もあるし、暇な時間は「世界金融危機」のことに先に手を付けちゃってるし。


ごめんなさい。


あとはご自分で確かめてください。


私も、専門家ではないけど心配はしているおおくの皆さんと同じ立場です。


ただ、専門家の二人の先生の話を聞いて、やっぱりやばいのだな、しかし、まだ希望も、現実的な希望もないとは言えないのだなという感触をかなり強く持てた、という・・・


そのことのご報告を、早くしたかったのです。


かつて、現実社会の問題をなんとかしなければいけないと思った若者は、マルクスの「ドイデ」(ドイツイデオロギー)を読み、天下国家を論じたもんじゃった。
今なら「ドエネ」だ!