日本語能力試験文法問題誤答パターン


背伸びして2級に挑戦する生徒さんたちの誤答パターンをまとめてみた。2級を急いでやった場合である。
答え合わせをして解説する時に、間違いがどうして間違いか、正答がどうして正答か、時間を取って解きほぐしてやる必要があるレベル。
しかし、説明すれば理解できる。


1)ショートセンテンスリーディングが不十分。
  (ブランク)の前後の言わんとすることを誤解して、答えを決めてしまった場合。


2)(ブランク)のせいで、語順の感覚が混乱してしまった場合。
  (問題自体、これができていますか、と聞いている、つまり語順どおりの理解ができているかを調べることを意図してるかなと思われる問題もあるのではなかろうか?)


3)知らない語彙の意味の推測を誤ったり、多義語の違う意味で解釈してしまった場合。


4)ロジカルカリキュレーションを誤ってしまった場合。二重否定などのややこしい文型がからむもの。「Aしない限り、Bできない」


5)活用が身に付いていない為に見落としてしまった。


6)選択肢のすべてを知らず、比較検討が十二分にできなかった場合。


実際の間違いは、これらが複合している。
普段の総合的な教科書による理解と、アウトプットの練習を十分やっていれば、(つまり、運用練習ですね)試験対策は問題形式になれる為と割り切れるものだ。解答するうちの難易度の高い問題だけ解説すれば良いものだが、限られた時間で準備が十分ではなくても試験を受けなくてはならない場合は、こういうことからミスが生まれているようだ。なにが分からなくて、間違ったのか、確かめる切り口は、ざっとこんなところだろうと思う。
普段の学習を急いでやったやり方が急であればあるほど、これに初級レベルの苦手項目が絡んでいる。自他、やりもらい、受け身と使役、助詞などなど。言わんとする内容の複雑さ、特に逆説的なものや、常識の裏、裏の裏を行くようなものにも要注意だろう。


老婆心ながら付け加えると、学習者が混乱するのは、恐らく、分からないことが複合して糸口が見つからない場合だろうと想像している。これは、授業で新規学習項目の導入のときに、うまくいかない場合にも見られる現象だ。
教師はひとつの項目を扱っているつもりが、学習者にとっては、実は、いくつかの新規の(あるいは学習者に取って生煮えの、あるいは既習事項なのだが、変形していてそうとは分かりにくこと)要素が一挙に与えられてとまどってしまう場面である。


日本語学校の現場感覚を思い出す、能試直前の日々である。


明後日は、当個人企業の仮事務所予定の、貸し主の本来の目的(英語教室コアライブラリー)の事務所開きパーティーがある。


落ち着いたら、当社としても同じ場所で、日本語教育関連の事務所開きを改めて行いたいと思っております。