20周年


以前勤めていた学校が20周年を迎え、その記念式典が行われた。
例年この時期は同窓会があって、わたしは皆勤賞なのだが、今回はさすが感慨深いものがあった。


国際社会への貢献を謳って地元の造船会社によって設立された日本語学校なのだが、発足当初には、かくなる式典ができるとは誰も予想していなかったと思う。各所の各人の努力と縁があって、地元にも受け入れられて、ここまで来たのだなあと素直な感慨に耽った。


懇親会も終わり、宿泊先を同じにした卒業生二人と集まって、午前4時まで話し込んだ。30ー40ー50代の男版グータンみたいな構図になったが、女、酒、ギャンブル、スポーツ、ホビーの5大おとこ同士の話題は皆無に近く、ちょっと結婚の話がでたぐらいで、主な話は仕事と人生の話、それぞれの今の課題やこのところの生々しい出来事を惜しげもなく包み隠さずさらけだすのであった。


素面で。


それから日本語学校時代の思い出話。


日本の生活が10年は優に超える彼らだが、口を揃えて、日本語学校時代がいちばんよかったと言う。大学から会社へと日本国内の数カ所を移り住んだけれど、いつも懐かしく思い出すのは日本語学校のことだった。困ったとき悩み事を打ち明けることの出来る先生たちがいたこと。日本語学校では当たり前だったそのことは、ほかのどこにもなかった。


わたしがその後勤めたところではなかなかそうはいかなかった。


そんなことができた隠れた条件として、でも最大の理由は、穏やかな自然の中だったからじゃないだろうか。都会の利便性と引き換えに、のんびりリラックスしたムードが生活の基調にあったのだと私は思う。穏やかな自然に囲まれた環境が、本来あるべき人と人とをつなぐ絆を育むのではないだろうか。


そうして一度生まれた絆は、長いあいだ会わなくても、まったく古くなってはいなかった。再会を果たしそのことを確かめ合った3人だった。


ここはあのお方の出番ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=BN0qsuK6sGQ