昨日のことを忘れるクラス、原因と解決

初級前半を2回やりました10人のクラスです。
初級2回目では、
単語と主要文型は個別に「チャレンジの時間」に
覚えたかどうかチェックして、ひとりひとり
必須項目を自分のペースで消化してもらい、
それと同時に学習法を身をもって体験させました。
(ますますお任せモードは強まってしまってますよ。
そりゃ、なにもかも良いことばかりとはいきませんぜ、
だんな。へっへ)
今初級後半をやっています。


前日導入した文型を翌日には忘れている!
そんなことが毎日起きている!
担任の専任講師が相談にやってきました。
(といっても席は背中合わせのご近所さん
ですが)


集団が! じゃ〜ん
集団で? ぼよ〜ん
そんな現象を呈するなんて、
経験15年超の主任(わし)も初めてです。


導入からドリルに至る過程での教師側、学生側にあるだろうと
考えられる問題の洗い出し。まずはそこからです。


講師原因仮説1:講師が学生を把握しきれていない。
故にコミュニケーションが成立していない。
(これは講師学生相互原因仮説としても
とらえねばなるまい)


講師原因仮説2:導入がうまくいっていない。
初級前半(違う担任とチームによって運営)のときに
「文法解説書」の「訳」を活用していたのを
直接法に「戻した」のが原因


学生原因仮説3:学生が理解できない高度なレベルにきて
しまった。あるいは処理できない分量の新規項目、
タスク、クラス活動・・・


学生原因仮説4:初級前半を終えて、
何らかの理由でやる気が萎えた。
(たしかに、だれだれモード全開である。
だれだれ・・・分かりますよね)
今の実力に満足、とか、新講師陣に失望とか。
あるいはGWを前に浮き足だっている。
あるものはバイト獲得のことが頭から離れない。
あるものはカップルになって有頂天。


学生原因仮説5:ちゃんと覚えているが、
忘れている。宇宙人に記憶を抜き取られている。


はいっ、ここで出ますよ。
主任からのありがたいアドバイス・・・!


とりあえず、講師の皆さんには、本気出して
情熱を持ってやってもらいましょう。
だれた空気をそのままにして授業をやらないこと。
全員を集中させてから、やるべき活動に入ること。
指示を出したら、相手がやるまであきらめないこと。
そのために迫力出して学生に迫ること。
具体的にいっこ言うならば、「コーラス」は力強く、楽しく、
回数多めに十分やるようにすること。


それと、あるクラス活動を始めるときは、全員が集中
するまで待って、それから始めること。
何かやらせる指示を出したら、やるまで、とことん
しつこく迫ること。
んで、できたら、できなくてっも取り組んだら、
激しくほめる。
(幼児教育の心得だよ、こいつはよ。ったく)


進め方では、直接法的導入後、確認のために
文法解説書も見せることにする。
(直接法の信奉者の先生方のご意見お待ちしおります)


さて、その日は相談に来た担任自身の担当日で、
途中経過報告があり、「今日はこれまでにないダレ方です。
時間終わりに直接話をしてみます」ということになった。


その結果、学生側の意見では、<前のやり方と変わって、
なにをどう理解すれば良いのか分からない>とのことだった。
担任は、ある程度要望を聞き入れ、交換条件として、
学生は、言われたことはちゃんとやる。授業態度を改める、
分からないことは、流さないで、分からないと言う、などを
約束させた。
こういった話し合いの末、再スタートを切ることになった。