最近、あまり経験がない方や半年経っていない方の

授業の様子をたくさん見て、アドバイスしているうちに
基本的なポイントがまとまってきたので、書きます。
経験がない方の共通点はゆるいことです。
教えるべきターゲットの理解、把握が緩い。
ターゲット項目に絡めて教えるべきネタが少なく時間が余る。
説明する相手、学生はどこまで、理解し、どこまでできて、
何を求めているかの捉え方が甘い。
学生に対する態度がゆるい。教師ばかりしゃべったり板書したりで
忙しくしているが学生が遊んでしまう時間が多くできてしまう。
などなどです。


非常勤で応募する方には、模擬授業の参考にもなる内容です。

もっとも基本的な活動である、文型(や語彙、表現)の導入から、
ドリルに至る流れなどではつぎの三つのことが大切なポイントです。

1)学趣項目の把握
  準備段階で、学習項目の導入方法をしっかり把握しておくこと。
  そのためには、自分なりの分析方法をもっていなければなりません。
  また、学生に取っての既習項目が何であるか、
  さらに、既習項目中の中で、コミュニケーションに使える表現が何で、
  ターゲット項目の説明のために出して、理解を助ける表現がなにか、を
  把握すべきです。

それから、文型の意味の中核をつかめたら、場面に応じて多用性がある
  プラグマティックな用法を整理分類してやることが与え方のこつですが、
  これが、見えてないことも多いですよ。 
  例)あいさつの「暑いですね」とクーラー付けましょうかね、の「暑いですね」
    全ての文型で、場面での機能を一度は考えてみないとね!
 


2)授業に臨んでは、しっかり学生を引っ張って行くこと。
  たとえば、指名の仕方の工夫です。席順や出席簿順に指名するの
  などは学生に対して自信がないからに見えます。
  比較できる教師がいる学生にも、そのことはすぐ伝わります。
  
  ドリルや口頭練習をさせるパワーが弱いです。
  アウトプットをいかに引き出すか、難しいことですが、
  質問で追い込む・・・
      「分かりましたか」
      「はい分かりました」
      「じゃ、チョウさん、何が分かったか、説明して」
      「すみません、聞いてませんでした」
  みんなにコーラスさせて、それから個別に指名とか。

  陥りやすいのが、一部の積極的な学生や優秀な学生しか参加して
  いない授業です。
  教師のオーラが教室の隅々まで届いていないとこうなります。
  このような事態は、あまり学生にトレーニングをやらせる習慣がつけられていない
  教師のときに起こります。
  学生は「分かった」ら用は済んだとおおもいがちです。
  でも「分かる」と「できる」は違います。
  そのことを理解させ、トレーニングはつきもので、授業においては逃れられない、
  と観念させるところまで、もっていかなくてはなりません。

  とっておきのチェックポイントは教師が一生懸命しゃべって、
  学生の発話が少ないこと。
  新人の先生が先輩に良く言われることですわ
  「あんたは日本語の練習せんかてええねんから、学生にしゃべらしたり」
   こんなばりばり大阪弁の教師はいてへんかな?

3)学習者の力量に合うレベルの、説明やドリルの提示

  学生に取って、分かりきったことを、さも新しいことのように
  滔々と教師にやられることほどいらいらすることはありません。

  逆に、レベルが高過ぎてついていけないことをやられることも、
  やはり、授業料返してほしいと思いたくなるものでしょう。

  ピンポイントで学生の欲するところを提示するには、長年の
  経験が必要ですが、初心者の教師の方は、あくまで、教科書の
  前後の内容をよ〜〜〜く見て、学習者の力量を推察してかかる
  ことが必要でしょう。