セリムの恋の巻(もちろん仮名です)


中級クラスには、イギリス人とアメリカ人のカップルと、ノルウエー人のカップルがいた。セリムは、休み時間になると男どもに、腕相撲や、押し相撲、片手腕立て伏せや親指腕立て伏せなどで勝負を挑んでいたが、あまりにライバル意識がむき出しでジョジョに敬遠されていったようだった。それでもひとりで休み時間にはエクササイズを欠かさないセリムであったが、孤独感に悩んでいるのは誰でも分かった。そんなセリムを救ったのは、中国人女子学生藩燕ちゃんだった。どちらからともなく二人は接近していった。


数ヶ月のロマンスの期間には、中国本国の恋人との三角関係やらなにやらあったが、その時期も過ぎて二人の関係がもう公認になったころのことだ。


アンへロさんの後輩に当たるサンティさんが、フィリピンに置いてきた新婚の奥さんの夢を見てにやけていた、午前六時過ぎ、ドンドンドン、ドンドンドン玄関をたたく音がした。セリムの声も聞こえる。「サンティ。サンティ。ちょっと。ちょっと」何事か、サンティは、あわててドアを開けた。

(さて、どうなるのでしょうねえ。いそがしいので今日はこの辺で)