思い出の学生

いったい誰がこんな朝早くに・・・?

(前回の続きです。前回を読んでない人は、そっちを読んでから、どうぞ) ・・・と眠い目をこすりながら、サンティーがドアを開けると、顔色を変えたセリムが飛びかからんばかりに入ってきた。「わたしのからだがたいへんになった。Some green thing comes o…

セリムの恋の巻(もちろん仮名です)

中級クラスには、イギリス人とアメリカ人のカップルと、ノルウエー人のカップルがいた。セリムは、休み時間になると男どもに、腕相撲や、押し相撲、片手腕立て伏せや親指腕立て伏せなどで勝負を挑んでいたが、あまりにライバル意識がむき出しでジョジョに敬…

トルコから来た青年の恋の顛末

今日はチラシを千枚刷ってもらって、さっそく梅田と天王寺で撒いてみた。駅ばりポスターの貼られ具合の視察をかねてだったが、ポスターは意外と見てもらえてないことが分かった。人々を観察して初めて分かる行動パターン・・・。わしは結構、眼に映るものな…

人類皆兄弟姉妹 アンヘロさんとナムさんの話

フィリピン政府勤務のアンヘロさんは、英語に直すとエンジェルだが、スペイン語読みになるのでアンヘロさん、というわけ。うりざね顔の優男で、鼻の下にひげを蓄え、大人の冗談を飛ばして、みんなを元気にしてくれるクラスのムードメイカーでもあった。 国に…

初仕事の頃

そう、あれはぼくがまだ本当に若い頃だった。姫路の難民定住センターで、はじめて日本語のクラスを担当した。授業の、特にテクニック的なことはもうほとんど何も覚えていない。覚えているのは断片的な、当時の私の眼にはもの珍しく映ったことだ。 教室には、…

パラオのM

パラオ共和国からMが来たときは、 相棒のIとともに、とても緊張していた。 宿舎から学校まで山道を20分ほど歩くのだが、 二人はずいぶん早く出発したが、あいだ、かなり 休憩をとり、永遠に動かないのではないかと 思わせるぐらいとどまり続けるのだった。 …

パラオのM

いやあ、ブログというものは続けるのが 難しいもんですなあ。 最近のネタはエグすぎて書けませんわ。 重すぎて書けないことが 日常の意識の中心に来てしまうと ごまかしてそこそこのことを書く気も 失せてしまうものなのですねえ。 (時効が来て書けるように…