命題と事態


 自然言語におけるある文が表す内容が現実についてなにかを
言い表す場合、その内容は、ある事態であるかあるいは命題で
あるか、この2種類に分類できると考えるのが妥当であると考
えている。


<事態>
 事態は一時的に成立した出来事であり、時と場所が指定され、
知覚によって現認される。ある対象もしくはある状況の存在、
成立、変化、状態の継続、終了などについての言明となる。
文を発する主体自身についての同様の変化につついても事態
と言い得る。動詞文が述語になりやすい。


 また、時間軸上において、過去や将来の事態についても、
言明が可能である。


 基本的に、知覚を通じて事態は確認され得る。(事態の認識)


 事態を表す文の意味は、基本的に事実かどうかに照らして有意味か
否かが、吟味さるべき文である。


<命題>
 命題は、論理的関係を典型とするような文である。
 個別の事態についての文であり、思考(判断作用)後生成される。
 個別の事態についての文以外のいくつかのタイプがある。

 
 ある対象の恒常的性質を述べる。
 ある対象の論理的関係を述べる。同値、包含関係など。


 命題文は、基本的に事実かどうかに加え、例外的事態がないこと、
 判断が適切か、推論が適切か、などにも照らして有意味か否かが
 吟味去るべき文である。


 ここまでは、不十分ながら捕捉した。問題、課題は、この事態と
命題の関係がいかなるものであるか、である。
 ここまでの説明では、事態は「個別的」であり、命題は「類的」
「概念的」であるようなので、経験的には、事態の積み重なりが
命題に発展するとしてもよさそうだ。


 しかし、これに言語体系に備わる具体的なことも一般的なことも
表現できる柔軟性と合わせて考えようとすると、ややこしいことに
なりそうである。


 前の『直観」の覚え書きは、この問題の整理のためのトライアル
でもある。


 はいはい、メモメモ。